Copyright © ashimoto inc All rights reserved.

Column

記事コンテンツ

Home > Column > 【施策解説】最後まで見られる動画の構成|冒頭30秒の設計

【施策解説】最後まで見られる動画の構成|冒頭30秒の設計

#YouTube

【施策解説】最後まで見られる動画の構成|冒頭30秒の設計

こんにちは。デジタルマーケターの横田です。

「長い動画なんて、今どき見てもらえないのでは?」

長編コンテンツ運用をご提案すると、ほぼ必ずいただくご質問です。私たちの答えは一貫していて、興味関心に合えば、20分を超える動画でも高い視聴維持率が得られます。実際、私たちが支援している企業チャンネルでは、20〜25分の動画が最後まで見られています。

ただし、それは「ただ長い動画を作れば見てもらえる」という意味ではまったくありません。分かれ目は、冒頭にあります。今回は、視聴維持率を左右する動画構成——とりわけ冒頭30秒の設計について解説します。

1. 離脱のほとんどは冒頭で起きる

視聴維持率のグラフを開くと、多くの動画に共通する形があります。

  • 開始直後に急な落ち込みがあり、その後はなだらかに推移する
  • つまり、離脱の大半は最初の数十秒に集中している
  • ここを乗り越えた視聴者は、その後かなりの割合が最後まで残る
  • 逆に言えば、冒頭を改善するだけで全体の維持率は大きく変わる

視聴者は、クリックした時点ではまだ「見る」と決めていません。再生ボタンを押した後、数十秒かけて「これは見る価値があるか」を判断しているのです。冒頭30秒は、動画の導入部ではなく、二度目の関門だと考えるべきです。

2. 冒頭30秒で伝えるべき3つのこと

2-1. これは誰のための動画か

  • 視聴者が「自分に関係がある」と感じられる入口から始める
  • 想定しているターゲットの悩みや関心を、最初に言葉にする
  • 企業紹介から入らない。視聴者は企業を知りに来たわけではない

もっともよくある失敗は、会社の説明から始めてしまうことです。視聴者の関心は自分自身にあり、企業にはありません。「あなたが気になっているであろうこの話をします」という宣言から入ることで、視聴者は自分の時間を投じる理由を持てます。

2-2. 何が得られるのか

  • この動画を見終わったとき、何が分かるのかを提示する
  • 情報なのか、疑問の答えなのか、単純に面白い時間なのか
  • 曖昧なまま進むと、視聴者は「いつ本題が来るのか」と不安になる

長編コンテンツであればあるほど、視聴者に「投資の見通し」を与えることが重要になります。20分という時間を預けてもらうのですから、その対価が何かを最初に示すのは、当然の礼儀とも言えます。

2-3. どんな空気の動画か

  • 出演者の人柄、テンポ感、笑いがあるのかどうか
  • 台本を読み上げている動画なのか、自然な会話が展開する動画なのか
  • 視聴者はこの数十秒で「居心地」を判断している

ここは数値化しにくい部分ですが、実際の視聴行動を大きく左右します。動画の質は、台本構成・出演者のキャラクター・テンポ感・ナレーションの温度感といった、定量では測りきれない要素に大きく左右される——私たちが繰り返しお伝えしていることが、もっとも如実に表れるのが冒頭部分です。

3. 冒頭ハイライトという手法

私たちが多くの企画で採用しているのが、冒頭にハイライトを置く構成です。

  • 動画本編の中でもっとも盛り上がる場面を、数十秒に編集して冒頭に置く
  • 「この先にこれがある」と示すことで、視聴を継続する動機をつくる
  • 出演者の魅力や、場の空気感を一瞬で伝えられる
  • そのまま自己紹介・企画説明へとつなぐ

たとえば座談会企画であれば、冒頭ハイライト → 出演者の簡単な自己紹介 → ディレクターによる企画説明 → 本編トーク → ランキング発表や答え合わせ → エンディング、という流れで構成します。

この段取りを事前に組んでおくことで、視聴者が飽きずに最後まで楽しめる構成になります。行き当たりばったりで撮影し、あとから編集で何とかしようとすると、この冒頭ハイライトに使える素材そのものが手に入りません。

4. 中盤以降の設計

冒頭を越えたあとも、放っておけば見続けてもらえるわけではありません。

  • 一定の間隔で「見せ場」を配置し、単調な流れを避ける
  • テロップを活用し、話の要点を視覚的に補強する
  • 説明が長く続く区間には、場面転換や別カットを挟む
  • 話の切り替わりで視聴者が置いていかれないよう、区切りを明示する

ここで効いてくるのが、編集を「素材を短くする作業」ではなく「体験を設計する作業」として扱えているかです。企画意図を理解しているチームが編集を担当するからこそ、どの場面を残し、どこにテロップを入れ、どこでテンポを上げるかの判断ができます。

5. 視聴維持率グラフの読み方

改善のサイクルを回すには、グラフから原因を読み取る力が必要です。

  • 開始10秒で大きく落ちている → 冒頭のつかみ、あるいはサムネイルとの内容のズレ
  • 中盤でなだらかに落ち続ける → 構成の単調さ、テンポの問題
  • 特定の1点で急落する → その場面に離脱の直接的な原因がある
  • 終盤で盛り返す箇所がある → その内容が視聴者の関心に合致している

グラフの形は、次の動画をつくるための最良の資料です。特に「特定の1点での急落」は原因が特定しやすく、次回すぐに改善できます。私たちは同じフォーマットで投稿を継続することを推奨していますが、それは再現性のためだけでなく、回を重ねるごとにこのデータが蓄積し、改善が効いていくからでもあります。

6. おわりに

長編コンテンツが見られるかどうかは、尺の長さではなく設計で決まります。そして設計の勝負どころは、冒頭の数十秒に集中しています。

もちろん、ただ動画を作っても長時間視聴してもらえる動画にはなりません。制作サイドのブランド理解、企画の考案、動画の構成、演者とのコミュニケーション、編集によるテロップの活用——プロフェッショナルな技術に加え、企業や演者の熱量があってこそ、視聴維持率の高い動画が完成します。

長尺だからこそ得られる熱量や没入感のある動画は、企業にとって唯一無二の資産になります。ぜひ一度、チャレンジしていただきたいと考えています。

ご相談・ご質問は、担当の古屋までお気軽にご連絡ください!

 

ASHIMOTO 古屋

furuya@ashimoto.co.jp