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【施策解説】話し慣れない社員から”本音”を引き出すディレクション

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【施策解説】話し慣れない社員から”本音”を引き出すディレクション

こんにちは。デジタルマーケターの横田です。

「うちの社員は、カメラの前で話せるような人がいなくて」

社員さんにご出演いただく企画をご提案すると、必ずと言っていいほどいただくお言葉です。

ですが、私たちがこれまで数多くの企業チャンネルを支援してきた経験から申し上げると、話すことが得意な社員さんは、必ずしも必要ありません。むしろ視聴者に響くのは、話し慣れていない人が、自分の言葉で語っている姿だったりします。

今回は、私たちが撮影現場で実際に行っている、出演者から本音を引き出すためのディレクションについてお話しします。

1. 求めているのは「話がうまい人」ではない

出演者の選定でもっとも重要な基準は、話し方の巧拙ではありません。

  • 商品や会社、自分の業界を愛している方であること
  • その対象について、こだわりや語りしろを持っていること
  • 取り繕わず、リアルな姿を見せてくれること
  • 話す内容そのものは、私たちのディレクターが引き出すため、トーク力は不要

不思議に聞こえるかもしれませんが、話し慣れた人ほど、動画としての魅力が落ちることがあります。言葉が滑らかに出てくる分、どこかで聞いたような整った説明になりやすいためです。一方、言葉に詰まりながらも自分の実感を探して話す人の映像は、視聴者の集中を引きつけます。

2. 台本を作り込まない理由

私たちの撮影では、台本をほとんど作り込みません。

  • 台本を読み上げる映像は、視聴者にすぐ見抜かれる
  • 「作られた情報」だと判断された瞬間に、信頼感が失われる
  • 出演者本人も、覚えることに意識が向いて表情が硬くなる
  • 台本感のなさが、再生の伸びと高いエンゲージメントにつながる

撮影のために無理な演出や台本を用意すると、逆に信頼感を損なうことがある——これは私たちが一貫してお伝えしていることです。企業が伝えたいことを押し付けるのではなく、等身大の姿を丁寧に映し出すことこそが、視聴者の心を動かし、共感につながります。

※金融、製薬など表現の規制が厳しい業界では、事前台本と社内チェックを行ったうえで撮影に臨む場合もあります。業界の事情に応じて、最適な進め方をご相談させてください。

3. 事前に決めること/決めないこと

台本を作らないといっても、完全なフリートークにするわけではありません。

  • 決めること:どんな流れで進むか、どんなテーマを扱うか、誰がどの役割を担うか
  • 決めること:進行役を誰が務めるか(私たちのディレクターがカメラ裏から進行する場合もあります)
  • 決めないこと:一言一句の言い回し、話す順番の細部、結論の着地点
  • 必要に応じて、話題メモ程度の資料を用意する

この線引きが、現場の空気を活かした撮影を可能にします。枠だけを決めて、中身は現場に委ねる。出演者にとっても「覚えなければ」という緊張から解放され、自分の言葉で話すことに集中できる状態が生まれます。

4. 現場での引き出し方

ここが、私たちがもっとも力を入れている部分です。

  • 撮影前に雑談の時間を取り、カメラの存在に慣れていただく
  • 「うまく話そうとしなくて大丈夫です」と最初に明確に伝える
  • 抽象的な質問ではなく、具体的な場面を思い出せる問いかけをする
  • 答えが一言で終わったら、その先を一段掘り下げて聞く
  • 言い直しや沈黙があっても止めない。編集で整えられることを伝えておく

出役のプロではない一般の方が自然体で企画に参加できるよう、私たちは現場での演者とのコミュニケーションを非常に重視しています。話すことに苦手意識がある方にも、安心してご出演いただけます。

本音は「引き出す」ものであって、「話してもらう」ものではありません。質問の投げ方ひとつで、返ってくる言葉の質はまったく変わります。ディレクターが場に入り、その人が本当に語りたいことに近づいていく——この過程そのものが、動画の質を決めています。

5. 編集で"揺らぎ"を残す

撮影した素材をどう扱うかにも、私たちの考え方が表れます。

  • 都合の良い部分だけを切り取ると、かえってリアリティが失われる
  • 多少の言い淀みや迷いを含めたほうが、人柄が伝わる
  • 過度な編集や演出よりも、映像の中ににじみ出る人間味が視聴者に刺さる
  • ただし、テンポが落ちる箇所は整理する。残す揺らぎと削る間は別物

ここは編集技術というより、判断の問題です。何を残せば人柄が伝わり、何を削ればテンポが保たれるのか。この判断ができるのは、企画の意図と撮影現場の空気の両方を知っているチームだけです。企画から編集までを一つのチームが担うことで、こうした緻密な調整が可能になります。

6. おわりに

「うちの社員には無理だと思う」——そう思われている企業さまこそ、実は良い動画が撮れることが多いです。

話し慣れていないということは、まだ言葉が擦り切れていないということでもあります。その人が本当に大切にしていることを、その人自身の言葉で語ってもらう。そこにこそ、他社が真似できない企業の魅力が宿ります。

私たちは、そのための場をつくり、問いを投げ、待つことを仕事にしています。出演者選定の段階からご一緒できますので、「誰に出てもらえばいいか分からない」という状態でもご相談ください。

ご相談・ご質問は、担当の古屋までお気軽にご連絡ください!

 

ASHIMOTO 古屋

furuya@ashimoto.co.jp