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【施策解説】”動画置き場”化したチャンネルの立て直し方

#YouTube

【施策解説】”動画置き場”化したチャンネルの立て直し方

こんにちは。デジタルマーケターの横田です。

企業のYouTubeに関するご相談で、実はもっとも多いのは「これから始めたい」ではありません。「数年前に始めたが、うまくいっていない」というご相談です。

動画は10本以上ある。けれど再生数はどれも2桁から3桁で、最後の投稿は1年前。担当者も代わり、社内では誰も話題にしなくなった——いわゆる”動画置き場”化した状態です。

今回は、この状態からどう立て直していくかを、実際の進め方に沿って解説します。

1. まず、何が起きていたのかを診断する

いきなり新しい動画を作り始めるのは、もっともよくある失敗です。同じ結果を繰り返すことになります。

  • 目的が曖昧なまま始めていなかったか:「YouTubeをやること」自体が目的になっていた
  • 制作ありきで、全体戦略がなかったのではないか
  • KPIや評価軸がなく、振り返りができていなかったのではないか
  • 他社の真似で始めたが、自社の目的と合っていなかったのではないか
  • 短期で成果を求め、伸び始める前にやめてしまったのではないか

そのうえで、アナリティクスから現状を確認します。表示回数は出ているのにクリックされていないのか、クリックはされるが数秒で離脱されているのか。症状が違えば、処方も変わります。

多くの場合、原因は「動画の本数が足りない」ことでも「予算が足りない」ことでもなく、やることが目的になってしまい、”何のためにやるか”が抜け落ちたまま運用を開始してしまったことにあります。これは失敗ではなく、非常に多くの企業が通る道です。

2. 過去の動画をどう扱うか

「これまでの動画は消すべきですか」というご質問をよくいただきます。

  • 原則として、消す必要はありません(ただし、状況によっては新しくチャンネル立ち上げるご提案をする場合があります)
  • 再生数が少ない動画があること自体が、新しい動画の妨げになるわけではない
  • ただし、チャンネルを訪れた人の第一印象は整理する価値がある
  • 再生リストで整理する、トップに表示する動画を差し替えるなど、見せ方を変える

大切なのは、過去を清算することではなく、これからの動線を整えることです。新しい視聴者は、あなたのチャンネルの歴史を検証しに来るわけではありません。いま目に入るものが、自分にとって価値がありそうかどうかだけを見ています。

3. 立て直しは「再設計」から始まる

ここが本題です。立ち上げ時と同じく、3つの層を整理し直します。

3-1. 成し遂げたい目的を、あらためて言語化する

  • 認知拡大なのか、採用強化なのか、サービス理解の促進なのか
  • その結果として、どのような成果を生み出したいのかまで具体化する
  • 社内で同じ言葉で目的を共有できる状態をつくる

「認知拡大」や「エンゲージメント向上」といった言葉は、関係者ごとに解釈が異なりがちです。担当者が代わっている場合は特に、ここを飛ばすと同じ迷走を繰り返します。遠回りに見えて、立て直しの成否はこの工程で8割方決まります。

3-2. ターゲットと、その人が見る理由を特定する

  • 誰に見てもらいたいのか。その人はどんな検索行動・視聴習慣を持っているのか
  • その人は、なぜこの動画を見るのか

YouTubeのアルゴリズムにおいて、コンテンツがユーザーのニーズに応えているかは極めて重要です。過去の動画が伸びなかった最大の理由は、多くの場合ここにあります。企業が伝えたいことは明確でも、視聴者が見る理由が設計されていなかった、というケースです。

3-3. 役割ごとに企画を設計し、シリーズ化する

  • 動画ごとの役割(認知、比較、背中押し、店舗誘導など)を定義する
  • それぞれの役割に対して企画を用意し、同じ企画を継続的に発信する
  • 目的に直結する企画だけでなく、その企画を見てもらうための企画も用意する

単発の動画を並べても、チャンネルは育ちません。同じフォーマットで投稿を継続することが、アルゴリズムに乗るための条件です。過去のチャンネルが伸びなかったのは、1本ごとにばらばらの動画を置いていたから、というケースが非常に多くあります。

4. 初速をつくる

再設計した企画で新しい動画を出しても、しばらくは再生が回りません。ここで再び「やはり伸びない」と判断してしまうのが、二度目の失敗パターンです。

  • 立ち上げ初期と同様、オーガニックだけでは露出が積み上がらない
  • インフィード広告を活用し、狙ったユーザーに動画を届ける
  • 視聴維持率の高い動画であれば、広告経由の再生がアルゴリズム上の評価にもつながる
  • 長編コンテンツあたり15万円〜20万円がミニマムスタート、公開から30日間を目安に配信

立て直しにおいて、広告は「甘え」ではなく必要な工程です。過去に一度失速したチャンネルは、社内の期待値も下がっています。新しい方針が正しかったことを早い段階で示せるかどうかが、施策を継続できるかどうかを左右します。

再生回数・チャンネル登録者数を保証する「YouTube CM 成果保証パッケージ」も、この局面で選ばれることが多いプランです。

5. 立て直しにかかる時間

正直にお伝えすると、時間はかかります。

  • YouTubeは、投稿から再生が伸びるまでに一定の時間がかかる媒体
  • 長編動画を月2〜4本投稿する場合で、半年〜1年程度が目安
  • 広告を併用することで初速はつくれるが、資産の積み上がりには時間が必要
  • 一方で、一度積み上がった再生は継続的に効果を生み続ける

この時間軸をあらかじめ社内で共有しておくこと自体が、立て直しの一部です。期待値が揃っていないまま走り出すと、3ヶ月後にまた同じ議論が始まってしまいます。

6. おわりに

“動画置き場”化したチャンネルは、失敗の証拠ではありません。むしろ、動画という資産と、社内で一度実行した経験がすでにある状態です。ゼロから始める企業よりも、有利な立ち位置にいるとさえ言えます。

足りていなかったのは、多くの場合、動画の本数でも予算でもなく、目的とターゲットと役割の設計でした。そこを整えたうえで、初速をつくる仕組みを用意すれば、チャンネルは動き出します。

「過去に一度やってみたが、うまくいかなかった」という段階のご相談を、私たちはむしろ歓迎しています。何がうまくいかなかったのかが分かっている分、次の設計は精度が上がります。

ご相談・ご質問は、担当の古屋までお気軽にご連絡ください!

 

ASHIMOTO 古屋

furuya@ashimoto.co.jp